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解体工事の境界線トラブルを回避する鉄則とは|プロが教える確認術

こんにちは!岡山の解体専門業者の株式会社アライブです。
「いよいよ家の解体工事を始めるけれど、お隣さんとの土地の正確な境目って、実はよく知らない…」「境界線上にあるこの古いブロック塀、解体する時はどうすればいいんだろう?費用はうちが全部出すの?」「工事の前に、境界線のことでお隣さんと揉めたりしたくない…」このように、解体工事を具体的に計画される中で、普段はあまり意識することのなかった「土地の境界線」に関する様々な疑問や不安が、大きな心配事として浮かび上がってくるものです。
この記事では、そんな皆様の不安を解消するために、私たち解体のプロフェッショナルが、円満な解体工事の生命線とも言える「境界線」の確認に特化し、トラブルを絶対に回避するための「5つの鉄則」を、具体的な確認術と共に、分かりやすく解説いたします。工事前の確認方法から、トラブルになりやすいブロック塀の所有権問題、木の枝などの越境物への法的な対処法まで、これさえ押さえれば安心というポイントを凝縮しました。
この記事を最後までお読みいただければ、解体工事における「境界線」に関するあらゆる疑問が解消され、法的なリスクやご近所との無用な争いを未然に防ぎ、安心して工事に臨むための具体的な手順が身につきます。岡山で敷地の境界が曖昧で不安な方、隣地との間にブロック塀やフェンスがある土地の解体をご検討中の方、そして将来の土地売却なども見据え、この機会に境界を明確にしておきたいとお考えの賢明なご家族は、ぜひこの「5つの鉄則」を実践してください。
目次
【鉄則1】思い込みは危険!解体工事前に「境界標」を現地で確認する
解体工事における境界線トラブル回避の第一歩、そして最も基本的な鉄則が、「思い込みを捨て、物理的な『境界標』を現地で確認すること」です。
「長年、この塀が境界だと思っていた」「だいたいこの辺りが境のはず」といった曖昧な認識は、深刻なトラブルの元凶となります。ブロック塀やフェンスが、必ずしも本当の境界線の上に建てられているとは限りません。どちらかの敷地内に、少しずれて設置されているケースも少なくないのです。
境界標(きょうかいひょう)とは?
土地の境界点(筆界点)を示すために、地面に設置された杭やプレートなどの標識のことです。法務局に備え付けられた図面などに基づき、土地の正確な位置を示しています。
- 主な種類: コンクリート杭、御影石の石杭、金属標(プレート)、プラスチック杭など。多くは、土地の角の部分に、頭が少し見える形で埋設されています。
確認のポイント
まずは、ご自身の敷地の四隅や折れ点と思われる場所を実際に見て、この境界標が存在するかどうかを確認しましょう。草木に隠れて見えにくくなっている場合もあります。この「自分の目で見て、物理的な印を確認する」という作業が、全ての基本となります。
以前、あるお客様が「このブロック塀が境界なので、これに沿って解体してください」とご依頼されました。しかし、私たちが鉄則に従い、工事前に敷地を詳細に確認したところ、ブロック塀から30cmほどお客様の敷地側に入った場所に、草に埋もれた古い境界標を発見しました。もし、お客様の思い込みのまま工事を進めていたら、お隣の土地の一部まで誤って解体してしまう、取り返しのつかない事態になるところでした。境界線の確認は、思い込みを排除し、客観的な事実からスタートすることが何よりも重要なのです。
【鉄則2】自分だけで決めない!隣地所有者と「境界線の立ち会い確認」を行う
現地で境界標らしきものが見つかったとしても、それを自分だけで「これが境界だ」と判断してはいけません。境界線トラブルを回避するための第二の鉄則は、「必ず、隣地の所有者様と『立ち会い』のもとで、一緒に境界線を確認すること」です。
境界線は、自分だけのものではありません。お隣様と共有する、非常にデリケートな線です。片方が良かれと思って行った確認も、相手から見れば「一方的な主張」と受け取られかねません。後のトラブルを防ぐためには、工事が始まる前の、お互いの関係が良好なうちに、双方で共通の認識を築いておくことが不可欠です。
立ち会い確認の進め方
- 事前のアポイント: まず、お隣様に事情を説明し、「今度、家の解体工事を始めるにあたり、ご迷惑をおかけしないよう、事前に土地の境界を一緒にご確認させていただきたく、ご都合の良い時にお時間をいただけませんでしょうか」と、丁重にお願いし、日程を調整します。
- 現地での確認: 当日は、双方で境界標の位置を確認し、「この杭と、あちらの杭を結んだ線が境界ということで、お互いよろしいでしょうか」と、口頭で確認を取り合います。
- 記録を残す: 確認した境界標や境界線を、双方のスマートフォンなどで日付が入るように写真を撮っておくと、後々の「言った・言わない」を防ぐための、客観的な記録として役立ちます。可能であれば、簡単な覚書を交わしておくのが最も確実です。
この「立ち会い確認」は、単なる作業確認ではありません。それは、「私たちは、あなたの土地の権利を尊重し、迷惑をかけないよう、細心の注意を払って工事を進めます」という、誠意と敬意を伝えるための、最も重要なコミュニケーションの機会なのです。
以前、ある解体現場で、この立ち会い確認を行った際、お隣様から「わざわざ声をかけてくれてありがとう。うちも、工事中は協力しますよ」と、温かい言葉をかけていただいたことがあります。この最初の丁寧なコミュニケーションが、その後の工事期間中の良好な関係に繋がり、非常にスムーズにプロジェクトを完了させることができました。境界線の立ち会い確認は、円満な解体工事を実現するための、最高の潤滑油となるのです。
【鉄則3】境界上のブロック塀は共有財産?解体前に「所有権」を明確にする

土地の境界線を確認した上で、次に大きな問題となるのが、その境界線上、あるいはその付近に建てられているブロック塀やフェンスの扱いです。トラブル回避の第三の鉄則は、「そのブロック塀が誰のものなのか、『所有権』を解体前に必ず明確にすること」です。
見た目だけでは、その塀が「自分のもの」か「お隣さんのもの」か、あるいは「二人の共有物」なのかは判断できません。そして、その所有権によって、解体の可否や費用負担の考え方が全く異なってきます。
所有権の確認方法
- 境界線との位置関係: 塀が、境界線のどちら側に建っているかで、ある程度推測できます。完全に自分の敷地内なら自己所有、相手の敷地内なら相手所有、境界線をまたいでいれば共有の可能性が高くなります。
- 過去の経緯の確認: 塀を設置した際の契約書や、親の代で交わした覚書などがないか探してみましょう。また、お隣様に「この塀は、いつ頃、どちらが建てられたかご存じですか?」と、敬意を払って尋ねてみることも重要です。
所有権別の解体費用と注意点
- 自分の所有物の場合:原則として、ご自身の判断と費用で解体できます。ただし、お隣様への事前説明は絶対に必要です。
- お隣の所有物の場合:それはお隣様の財産です。絶対に勝手に壊してはいけません。 もし、こちらの工事の都合で撤去が必要な場合は、お隣様の同意を得た上で、費用負担(基本的には撤去を要望する側が負担)についても、十分に協議する必要があります。
- 共有物の場合:必ず双方の同意がなければ解体できません。解体費用は、民法上は折半が原則ですが、実際には、解体の利益を受ける側が多く負担するなど、話し合いによって負担割合を決めるのが一般的です。そして、その合意内容は、必ず「覚書」などの書面に残し、双方が署名捺印することが、後のトラブルを防ぐために極めて重要です。
以前、あるお客様が、共有物と思われるブロック塀の解体について、お隣様と費用負担で話がまとまらず、ご相談に来られました。私たちは、まず第三者の専門家として、それぞれの立場から見たメリット・デメリットを客観的にご説明しました。そして、解体費用だけでなく、その後に設置する新しいフェンスの費用まで含めたトータルでの費用計画と、折半案をご提示したところ、最終的にお隣様にもご納得いただき、円満に合意することができました。感情的になりがちな問題だからこそ、専門家を交えた冷静な話し合いが有効なのです。
【鉄則4】勝手に切らない・壊さない!解体工事の邪魔になる「越境物」の対処法
解体工事の足場を組んだり、重機を操作したりする際に、お隣の敷地から伸びてきた木の枝や、建物の屋根のひさしなどが、物理的な障害となることがあります。これを「越境物(えっきょうぶつ)」と言います。トラブル回避の第四の鉄則は、「たとえ自分の敷地にはみ出していても、越境物は勝手に切ったり、壊したりしないこと」です。
越境物への基本的な対処法
越境している木の枝や屋根も、その所有権はお隣様にあります。これを無断で処理してしまうと、器物損壊などの法的な問題に発展する可能性があります。
基本的な対処法は、まずお隣様に、解体工事の計画と、安全確保のために越境物の処理が必要であることを丁寧に説明し、伐採や撤去をお願いすることです。その際の費用負担についても、話し合いで決める必要がありますが、工事の都合でお願いする立場であるため、こちら側で負担するのが円満な解決に繋がります。
【知っておきたい!2023年4月施行の民法改正】
特に、越境した「木の枝」については、近年、重要な法改正がありました。
- 改正前: 枝がお隣から越境してきても、自分で切ることはできず、相手に切ってもらうよう請求するしかありませんでした。
- 改正後: 以下の3つのケースに限り、催告した上で、越境された側が自分で枝を切り取ることが可能になりました。
- 木の所有者に、枝を切るよう催促したにもかかわらず、相当の期間内に切除しない場合。
- 木の所有者を知ることができず、またはその所在を知ることができない場合。
- 急迫の事情がある場合。
この民法改正により、どうしてもお隣様に対応していただけない場合の、最終的な手段が法的に認められました。しかし、これはあくまで最終手段です。
円満な解決のために最も重要なこと
法律上の権利を振りかざす前に、まずは誠実な対話を通じて、お互いが納得できる解決策を探る姿勢が何よりも大切です。解体業者も交え、「工事の安全のために、どうしてもご協力が必要です」と、専門家の立場から説明してもらうことも有効です。
以前、ある現場で、お隣の立派な柿の木の枝が、解体する家の屋根に大きくかかっていました。私たちは、施主様と一緒にご挨拶に伺い、事情をご説明しました。その際、ただ「切ってください」とお願いするのではなく、「もしよろしければ、専門の庭師を手配し、私どもの費用負担で、木の形を整えながら、安全な範囲まで枝を剪定させていただくことは可能でしょうか」とご提案しました。この申し出に、お隣様も快く応じてくださり、解体工事だけでなく、お隣の庭木もきれいになり、大変喜んでいただくことができました。
【鉄則5】曖昧なまま進めない!境界線トラブルは「土地家屋調査士」に相談
これまでの4つの鉄則を実践しようとしても、どうしても解決できない問題に直面することがあります。「境界標が見つからない」「お隣様との主張が、どうしても食い違ってしまう」。トラブル回避の最後の、そして最も重要な鉄則は、「境界線が曖訪なまま、絶対に工事を進めず、国家資格を持つ専門家である『土地家屋調査士』に相談すること」です。
土地家屋調査士(とちかおくちょうさし)とは?
土地家屋調査士は、不動産の表示に関する登記の専門家であり、土地の境界を確定させるための「筆界の専門家」です。いわば、土地の境界問題における、最高権威の審判のような存在です。
なぜ専門家への相談が必要なのか?
境界の問題は、当事者同士の話し合いだけでは、感情的になり、こじれてしまうことが少なくありません。また、たとえその場で合意したとしても、口約束だけでは、将来、相続などで所有者が変わった際に、再び問題が蒸し返される可能性もあります。
土地家屋調査士に依頼することで、法的な根拠に基づいた客観的で公平な判断がなされ、その結果は公的な記録として残るため、将来にわたる永続的な安心を得ることができるのです。
土地家屋調査士が行う「境界確定測量」
- 内容: 法務局の資料などを基に、現地の測量を行い、隣接する全ての土地所有者と立ち会いのもとで境界を確認・合意し、法的に有効な「境界標」を設置し、「確定測量図(境界確定図)」を作成します。
- 費用: 土地の形状や隣接地の数によりますが、20万円~80万円程度が目安です。
- 効果: この測量を行えば、土地の境界は法的に確定され、将来にわたって境界に関するトラブルが再発するリスクを、ほぼゼロにすることができます。
解体工事の費用に加えて、測量費用がかかることは、お客様にとって大きな負担かもしれません。しかし、境界が曖昧なまま工事を進め、万が一、訴訟などの深刻な紛争に発展した場合の、金銭的・時間的・精神的な損失は、その比ではありません。
私たち株式会社アライブは、解体工事の専門家として、境界に少しでも疑義がある場合は、決して工事を進めません。お客様のリスクを第一に考え、信頼できる土地家屋調査士をご紹介し、まず境界を確定させることを最優先にご提案します。安全とコンプライアンスを、何よりも重視するからです。
まとめ
今回のコラムでは、解体工事を円満に成功させるための生命線とも言える「境界線」の問題に焦点を当て、トラブルを回避するための「5つの鉄則」という形で、具体的な確認術や対処法を詳しく解説してまいりました。
解体工事のプロジェクトは、重機が動き出すずっと前から始まっています。【鉄則1】思い込みを捨てて境界標を確認し、【鉄則2】お隣様と立ち会い確認を行うこと。そして、【鉄則3】境界上のブロック塀の所有権を明確にし、【鉄則4】越境物には慎重に対処すること。これらの丁寧な事前準備こそが、後の深刻な紛争を防ぎ、お客様ご自身の財産と心の平穏を守ることに繋がります。
そして、もし当事者間での解決が難しい場合は、決して曖昧なまま進めず、【鉄則5】である土地家屋調査士という専門家の力を借りる勇気を持つことが重要です。
私たち解体業者の役割は、単に建物を安全に壊すことだけではありません。お客様が、近隣の皆様と良好な関係を保ちながら、スムーズに次のステップへ進めるよう、こうしたデリケートな問題に寄り添い、専門家として適切な道筋を示すことにもあると考えています。
この記事が、これから解体工事に臨まれる皆様にとって、境界線に関する不安を解消し、全ての関係者が納得できる、円満な工事を実現するための一助となれば幸いです。
株式会社アライブでは、岡山地域密着をモットーに、空き家、建て替え時の解体作業から舗装工事までおこなっております。私たちは、目に見える建物を壊す前に、目に見えない隣地との境界線を尊重し、確認することを最優先します。是非!解体の事なら株式会社アライブにお任せください!
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