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浄化槽の埋め戻し費用、安さの裏にあるリスクとは?全撤去との徹底比較

こんにちは!岡山の解体専門業者の株式会社アライブです。
「公共下水道に接続したので、庭にある古い浄化槽が不要になった。どうやって処分すればいいの?」「解体業者さんから『費用を抑えるなら、全撤去ではなく埋め戻しという方法がありますよ』と提案されたけど、本当にそれで大丈夫?」「安さだけで選んで、後から土地のトラブルになったりしないか心配…」このように、使わなくなった浄化槽の処分を検討する中で、その方法、特に「埋め戻し」という選択肢の費用と、その裏に潜む長期的なリスクについて、具体的な疑問やご不安をお持ちの方は少なくありません。
この記事では、そんな皆様の疑問やご不安を解消するために、私たち解体のプロフェッショナルが、不要になった浄化槽の処分方法である「埋め戻し」と「全撤去」を、特に**「費用」と「将来のリスク」という観点から徹底的に比較**します。それぞれの工法にかかる費用の内訳から、安いというメリットの裏にある地盤沈下や資産価値低下といった深刻な問題、そして最終的にどちらの方法がご自身にとって「お得」なのか、後悔しないための判断基準まで、詳しく、そして分かりやすく解説いたします。
この記事を最後までお読みいただければ、「浄化槽の埋め戻し」という選択肢について、その費用と長期的なリスクを正しく天秤にかけ、ご自身の土地の未来を考えた上で、最適な処分方法を判断するための具体的な知識が身につきます。岡山で浄化槽の処分にお困りの方、家の解体や土地の売却を検討されている方、そして業者から浄化槽の埋め戻しを提案され、その安全性について詳しく知りたいとお考えのご家族は、ぜひご一読ください。
目次
【費用で比較】浄化槽の「埋め戻し」と「全撤去」、2つの処分方法の違い
不要になった浄化槽の処分には、大きく分けて2つの方法があります。それは、費用を抑えられる「埋め戻し(槽内充填)」と、土地を完全にクリーンな状態にする「全撤去」です。この2つの方法は、費用だけでなく、工期や土地の将来性に大きな違いをもたらします。まずは、その全体像を比較してみましょう。
1. 埋め戻し(槽内充填)とは?
浄化槽の本体(主にFRP=強化プラスチック製)は地中に残置したまま、内部をきれいに洗浄・消毒した後、砂や砕石などで満たし、上から蓋をして土をかぶせる方法です。浄化槽本体を掘り出して処分する工程がないため、費用が安く、工期が短いのが最大の特徴です。
2. 全撤去とは?
浄化槽本体を、重機などを使って地面からまるごと掘り起こして撤去する方法です。撤去後にできた大きな穴は、良質な土で適切に埋め戻され、地中に人工物が何も残らない、完全にクリーンな状態になります。将来的なリスクは最も低いですが、費用と工期がかかります。
【一目でわかる!「埋め戻し」 vs 「全撤去」比較】
比較項目 | 埋め戻し(槽内充填) | 全撤去 |
初期費用 | 安い | 高い |
工期 | 短い(1~2日) | 長い(数日~) |
将来の地盤沈下リスク | 有り | ほぼ無し |
土地の資産価値への影響 | マイナスになる可能性有り | 影響なし |
将来の土地利用 | 上に建物などは建てられない | 制限なし |
このように、初期費用と工期の手軽さで言えば「埋め戻し」に軍配が上がりますが、長期的な安心感と土地の価値という点では「全撤去」が圧倒的に有利です。どちらの方法が良いかは、この違いを理解した上で、ご自身の状況と将来計画に合わせて慎重に判断する必要があります。
「埋め戻し」の費用はいくら?清掃・充填にかかる費用の内訳と相場
「とにかく費用を抑えたい」という場合に検討される「埋め戻し」。その費用の内訳は、比較的シンプルです。ここでは、浄化槽の埋め戻し工事にかかる具体的な費用の内訳と、大きさ別の価格相場について解説します。
1. 浄化槽の埋め戻し費用の主な内訳
見積書には、主に以下の項目が含まれます。
- 最終清掃費用:これが最も重要な項目の一つです。専門の清掃業者が、槽内の汚泥を完全に抜き取り(汲み取り)、内部を洗浄・消毒する費用です。これは法律で義務付けられており、この費用が見積もりに含まれているかは必ず確認してください。
- 槽本体 処理費用:地中に残す浄化槽本体の底や側面に、地下水が抜けるための穴を開けたり、上部を破壊したりする作業の人件費です。
- 充填材(砂・砕石など)費用:槽の内部に詰める、水はけの良い砂や砕石などの材料費です。槽の容積分の材料が必要になります。
- 充填・埋め戻し作業費:槽内に砂などを詰め、上から土をかぶせて整地する作業の人件費や、重機を使用する場合の費用です。
- 諸経費:現場管理費や交通費など、工事全体にかかる経費です。
2. 浄化槽の埋め戻しの価格相場
費用は、浄化槽の大きさ(〇人槽)によって変動します。
- 5人槽(一般的な戸建て住宅サイズ)の場合:
- 総額費用目安: 約5万円 ~ 12万円
- (内訳参考:最終清掃費 約2~4万円 + 埋め戻し関連工事費 約3~8万円)
- 7人槽(二世帯住宅など)の場合:
- 総額費用目安: 約7万円 ~ 15万円
- (内訳参考:最終清掃費 約3~5万円 + 埋め戻し関連工事費 約4~10万円)
以前、あるお客様が「他社で3万円という見積もりが出たが、安すぎて不安だ」とご相談に来られました。その見積書を拝見すると、案の定、法律で義務付けられている「最終清掃費用」が含まれていませんでした。汚泥が残ったまま埋め戻すと、将来的に悪臭や土壌汚染の原因となり、結局やり直しで高額な費用がかかることをご説明し、私たちは清掃費を全て含んだ適正な価格のお見積もりを提出しました。安すぎる見積もりには、必要な工程が省かれているリスクがあることを、知っておく必要があります。
「全撤去」の費用はいくら?掘削・処分・埋め戻しにかかる費用の内訳
将来の安心を最優先する場合に選ばれる「全撤去」。その費用は、埋め戻しに比べて高額になりますが、それには明確な理由があります。ここでは、浄化槽の全撤去工事にかかる具体的な費用の内訳を解説します。
1. 浄化槽の全撤去費用の主な内訳
全撤去の見積書には、埋め戻しにはない、いくつかの大掛かりな工事項目が含まれます。
- 最終清掃費用:これは埋め戻しと同様に、法律で義務付けられた必須の工程です。
- 掘削作業費:浄化槽本体を掘り出すために、重機(バックホーなど)を使って周囲の土を掘削する作業費用です。
- 本体の吊り上げ・搬出費用:掘り出した浄化槽本体(FRP製でかさばる)を、クレーンなどで吊り上げて、トラックに積み込むための費用です。
- 浄化槽本体の処分費用:撤去した浄化槽は「産業廃棄物」として、専門の処分施設で適正に処理する必要があります。そのための処分費用です。
- 大量の埋め戻し土 費用:これが費用を大きく押し上げる要因です。浄化槽があった場所にできた大きな穴を埋めるために、大量の良質な土(山砂や再生砕石など)を購入する費用がかかります。
- 埋め戻し・転圧作業費:搬入した土を、地盤沈下が起きないように、層状に少しずつ入れながら、転圧機で入念に締め固めていく作業費用です。
- 重機回送費や諸経費:重機を現場まで運ぶ費用や、工事全体を管理する経費です。
2. 浄化槽の全撤去の価格相場
これらの工程が必要となるため、費用は高額になります。
- 5人槽(一般的な戸建て住宅サイズ)の場合:
- 総額費用目安: 約15万円 ~ 50万円以上
- 7人槽(二世帯住宅など)の場合:
- 総額費用目安: 約20万円 ~ 60万円以上
費用に幅があるのは、浄化槽が設置されている深さや、基礎コンクリートの有無、そして現場の作業環境(重機が入りやすいかなど)によって、掘削や搬出の難易度が大きく変わるためです。
以前、家の建て替えに伴う解体工事で、浄化槽の全撤去を行ったことがあります。その際、掘り出した穴を埋めるために、大型ダンプトラックで何台も新しい土を運び込み、転圧作業を繰り返しました。施主様は、「ただの穴埋めでも、こんなに大変な作業だとは知らなかった」と驚かれていました。この丁寧な埋め戻し作業こそが、新しい家の安全な土台を作るために不可欠であり、全撤去費用の重要な一部を占めているのです。
【将来のリスク】浄化槽の埋め戻しが招く地盤沈下と資産価値低下の問題
浄化槽の埋め戻しは、初期費用が安いという大きなメリットがありますが、その安さの裏には、将来にわたって影響を及ぼす可能性のある、深刻なリスクが潜んでいます。費用だけで安易に判断する前に、ここで解説する2大リスク、「地盤沈下」と「資産価値の低下」について、必ず理解しておいてください。
1. 最大のリスク「地盤沈下」の恐怖
これが、埋め戻しにおける最も物理的で危険なデメリットです。
- なぜ起こるのか?:地中に残された浄化槽の本体(主にFRP製)は、永久的な強度を持つものではありません。長い年月をかけて、土の圧力や地震の揺れ、あるいは車両の通行による振動などによって、徐々に劣化し、最終的には破損・変形・圧壊する可能性があります。
- どのような被害が?:地中の槽が潰れると、その上の地面は支えを失い、**突然陥没する「地盤沈下」**を引き起こします。もし、その上が駐車場であれば車が傾き、庭であれば大きな穴が空き、家のすぐそばであれば、建物の基礎にまで悪影響を及ぼす危険性があります。
- これは、単なる可能性ではなく、実際に全国で報告されているトラブルです。 一度沈下してしまった地盤を元に戻すには、結局、地中の浄化槽を掘り出して、再度の埋め戻し工事が必要となり、当初の節約分をはるかに超える高額な費用がかかります。
2. 土地の「資産価値低下」という経済的リスク
将来、その土地を売却する可能性が少しでもある場合、埋め戻しは大きな足かせとなります。
- 不動産取引上の「瑕疵(かし)」:土地を売却する際、地中に浄化槽が埋まっているという事実は、**不動産取引上の「瑕疵(隠れた欠陥)」**と見なされます。売主は、この事実を買主に告知する義務があります。
- 売却価格への影響:買い主の立場からすれば、将来地盤沈下のリスクを抱えた土地を、喜んで購入する人はいません。そのため、売却価格の大幅な減額を要求されたり、契約の条件として「売主の費用負担で全撤去すること」を求められたりするのが一般的です。
- 売却そのものが困難に:最悪の場合、買い手が見つからず、売却そのものが困難になる可能性もあります。
- 将来の土地利用への制約:たとえ売却しなくても、将来、その土地に家を増築したり、カーポートや物置を建てたりする際に、埋設された浄化槽が障害となり、計画の変更や、結局その時点での撤去を余儀なくされることがあります。
私は、解体業者として、お客様に「10年後、20年後も、この土地のことで後悔しませんか?」と問いかけるようにしています。目先の数万円~十数万円の費用のために、将来、数百万円の価値を持つかもしれない資産にリスクを抱えさせ、子や孫の世代にまで問題を残してしまう可能性があること。それこそが、浄化槽埋め戻しの最大のデメリットなのです。
結局どっちがお得?浄化槽の処分方法、後悔しないための判断基準
ここまで、「埋め戻し」と「全撤去」の費用とリスクを比較してきました。それでは、最終的にどちらの方法を選ぶのが、あなたにとって本当に「お得」なのでしょうか。その答えは、ご自身の状況と、その土地の将来をどのように考えているかによって決まります。後悔しないための判断基準を、ここで整理してみましょう。
【判断基準1】土地の将来的な利用計画
- 土地を売却する可能性が「少しでもある」場合 → 迷わず「全撤去」→ 埋め戻しによる資産価値の低下や、売却時のトラブルのリスクは、当初の節約額をはるかに上回る損害に繋がる可能性が高いです。
- 解体後に「新築・建て替え」をする場合 → 迷わず「全撤去」→ 新しい家の基礎工事の際に、埋設された浄化槽が障害となります。また、新しい家の真下に地盤沈下のリスクを抱えることは、絶対にあってはなりません。
- 浄化槽があった場所を「駐車場」などにする場合 → 「全撤去」を強く推奨→ 車両の重量が、地中の浄化槽に負荷をかけ続け、破損や地盤沈下のリスクを高めます。
- 今後もずっと、その場所に「何も建てず、大きな荷重もかけない(庭の一部など)」と断言できる場合 → 「埋め戻し」も選択肢に→ ただし、将来のリスクを十分に理解し、受け入れることが前提となります。
【判断基準2】予算とリスクのバランス
- 初期費用を、どうしても最小限に抑えなければならない特別な事情がある場合 → 「埋め戻し」もやむを得ない選択肢→ ただし、その場合でも、正しい手順で施工し、将来のリスクについて家族間で情報を共有しておくことが重要です。
- 将来的な安心と資産価値を、目先の費用よりも優先したい場合 → 「全撤去」が最善の選択→ 初期費用はかかりますが、将来にわたる不安材料を完全に取り除くことができ、土地を100%自由に活用できるという大きなメリットがあります。
結論:長期的に見て「お得」なのは、多くの場合「全撤去」

初期費用は高額ですが、将来的な地盤沈下による再工事のリスク、土地の資産価値低下のリスク、そして土地利用の制約といった、埋め戻しが抱える様々なデメリットを考慮すると、多くの場合において、最初にきちんと「全撤去」しておくことが、長期的に見て最も賢明で、結果的に「お得」な選択であると、私たちプロは考えています。
以前、あるお客様がご兄弟で相続された土地の浄化槽処分で、意見が分かれたことがありました。費用を抑えたい弟様は「埋め戻し」、将来の売却を考えるお兄様は「全撤去」を主張されていました。私たちは、両方のメリット・デメリットと、それぞれの費用、そして売却時の資産価値への影響などを客観的なデータとしてご提示し、ご兄弟が冷静に話し合うための判断材料を提供しました。最終的に、ご兄弟は将来の資産価値を優先し、「全撤去」を選ばれました。このように、専門家からの客観的な情報提供が、ご家族の円満な合意形成の助けとなることもあります。どんな小さな疑問でも、私たちにご相談ください。
まとめ
今回のコラムでは、「浄化槽の埋め戻し」とそれに伴う「費用」というテーマについて、もう一つの選択肢である「全撤去」と徹底的に比較しながら、それぞれの工事手順、費用の内訳、そして何よりも重要な、長期的なリスクと後悔しないための判断基準について、詳しく解説してまいりました。
不要になった浄化槽の処分方法として、「埋め戻し」は、初期費用を大幅に安く抑えられるという、非常に大きなメリットがあります。しかし、その安さの裏には、将来的な「地盤沈下」という物理的なリスクと、土地の「資産価値低下」という経済的なリスクが、常に潜んでいることをご理解いただけたかと思います。
どちらの方法が絶対的に正しいということはありません。大切なのは、お客様ご自身が、これらのメリットとデメリットの両方を正しく理解し、目先の費用だけでなく、10年後、20年後、そして次の世代へと引き継がれていく、その土地の未来まで見据えて、ご自身の状況にとって最善の選択をすることです。
そして、どちらの方法を選ぶにせよ、法律で定められた正しい手順で、安全かつ確実な工事を行ってくれる、誠実な専門業者をパートナーに選ぶことが不可欠です。私たちは、お客様が後悔のない、賢明な判断を下せるよう、常に公平で正確な情報提供をお約束します。
株式会社アライブでは、岡山地域密着をモットーに、空き家、建て替え時の解体作業から舗装工事までおこなっております。もちろん、このような浄化槽の処分につきましても、お客様の将来まで考え、埋め戻し・全撤去それぞれのメリット・デメリットを丁寧にご説明した上で、最適なご提案をさせていただきます。是非!解体の事なら株式会社アライブにお任せください!
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