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解体前の必須知識!「土壌汚染調査」の費用・流れ・対策まるわかりガイド

こんにちは!岡山の解体専門業者の株式会社アライブです。
「昔、この土地には町工場が建っていたと聞いている。家を解体して売却しようと思うけど、土壌汚染とか大丈夫だろうか…」「解体業者から『土地の履歴によっては、土壌汚染調査が必要になるかもしれません』と言われたけど、本当に必要なの?費用は一体いくらかかるんだろう?」「もし自分の土地から有害物質が見つかったら、どうなってしまうんだろう…」このように、建物の解体工事を計画される中で、目には見えない土地そのものの「土壌汚染」というリスクについて、大きな不安や疑問をお持ちになる方がいらっしゃいます。
この記事では、そんな皆様の不安を解消するために、私たち解体のプロフェッショナルが、建物の解体工事と密接に関わる「土壌汚染調査」について、なぜ調査が必要なのかという法的な背景から、調査が必要になる具体的なケース、調査の詳しい流れと期間、そして最も気になる調査や万が一の対策工事にかかる費用まで、専門的な内容を分かりやすく丁寧に解説いたします。
この記事を最後までお読みいただければ、「土壌汚染調査」の全体像を正しく理解し、ご自身の土地に潜むリスクの可能性を把握した上で、解体工事と合わせて計画的に調査を進めるための具体的な知識と安心感が得られます。岡山で、工場や事業所の跡地、ガソリンスタンド、クリーニング店などの跡地にある建物の解体を検討している方、土地の売買を予定しており土壌汚染のリスクを懸念されている方、そして解体業者から土壌汚染調査の可能性を指摘された方は、ぜひご一読ください。
目次
【なぜ必要?】解体工事で「土壌汚染調査」が求められる理由と土壌汚染対策法
建物の解体工事を検討する際に、なぜ「土壌汚染調査」という一見すると別の問題が関係してくるのでしょうか。その背景には、私たちの健康と資産を守るための重要な法律と、土壌汚染がもたらす深刻なリスクが存在します。ここでは、解体工事において土壌汚染調査が求められる理由について、その根拠となる法律の目的から解説します。
まず、土壌汚染がなぜ問題なのかを理解する必要があります。土壌汚染とは、鉛、ヒ素、六価クロム、トリクロロエチレンといった、人の健康に有害な影響を及ぼす可能性のある「特定有害物質」が、土や地下水に基準値を超えて含まれている状態を指します。汚染された土壌に直接触れたり、その土壌から有害物質が溶け出した地下水を飲んだり、あるいは汚染された土から揮発した有害なガスを吸い込んだりすることで、深刻な健康被害を引き起こす恐れがあります。また、土地の資産価値を著しく低下させ、売買や利用を困難にする大きな要因ともなります。
このような土壌汚染による健康被害を防ぐために、日本では「土壌汚染対策法」という法律が定められています。この法律の主な目的は、土壌汚染の状況を的確に把握し、汚染による人の健康被害を防止することです。そして、この法律では、特定の条件下で土地の所有者に対して土壌汚染調査を義務付けています。
土壌汚染対策法で調査が義務付けられる主なケース
- 有害物質使用特定施設を廃止する時: 有害物質を使用または製造、処理していた工場や事業所(メッキ工場、化学薬品工場など)を廃止する場合、土地の所有者は調査義務を負います。
- 一定規模(3,000m2)以上の土地の形質を変更する時: 土地を掘削したり、盛り土をしたりといった「土地の形質変更」を行う際、その面積が3,000平方メートル以上の場合、事前に都道府県知事などへ届け出が必要となり、知事が土壌汚染の恐れがあると判断した場合に調査命令が出されます。建物の解体工事では、基礎の撤去などで土地を掘削するため、この「土地の形質変更」に該当することが多くあります。
- 土壌汚染の恐れが極めて高いと行政が判断した時: 上記以外でも、土壌汚染による健康被害が生じる恐れがあると都道府県知事などが認めた場合、調査命令が出されることがあります。
このように、特に工場跡地などの解体工事は、土壌汚染対策法に基づく調査義務のきっかけとなる可能性が高いのです。また、法律上の義務がない場合でも、土地を売買する際に、売主として土地の安全性を証明するため(説明義務を果たすため)、あるいは買い主から求められて自主的に調査を行うケースも非常に多くなっています。
以前、あるお客様が相続された土地の古い倉庫の解体をご依頼くださった際、私たちが土地の履歴を調べたところ、過去に小規模なクリーニング店が営業していたことが判明しました。クリーニング業では、かつて有害物質であるテトラクロロエチレンが使用されていた可能性があるため、私たちは法律上の義務はなくとも、将来のトラブルを避けるために土壌汚染調査を行うことを強く推奨しました。結果として微量の汚染が確認されましたが、早期発見だったため比較的低コストで対策ができ、お客様も安心して土地を売却することができました。解体工事は、このように土地の隠れたリスクを明らかにする重要な機会でもあるのです。
うちの土地は大丈夫?土壌汚染調査が必要になるケースと土地の履歴チェックリスト
「土壌汚染対策法」で調査が義務付けられるケースについて解説しましたが、「法律の義務に当てはまらないなら、うちの土地は大丈夫」と考えるのは早計かもしれません。法律上の義務がなくとも、土地の過去の利用状況によっては、土壌汚染のリスクが潜んでいる可能性があります。ここでは、自主的な土壌汚染調査が強く推奨される具体的なケースと、ご自身の土地のリスクを簡易的に判断するための「土地の履歴チェックリスト」をご紹介します。
自主的な土壌汚染調査が推奨される主なケース
- 土地の売買を予定している場合: 土地を売却する際、売主には土地に瑕疵(欠陥)がないことを説明する義務があります。もし、売却後に土壌汚染が発覚した場合、買主から契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)を問われ、損害賠償や契約解除を求められる可能性があります。このような将来の紛争リスクを避けるため、事前に調査を行い、土地の安全性を確認しておくことが賢明です。
- 土地を担保に融資を受ける場合: 金融機関は、融資の担保とする土地の資産価値を厳しく評価します。土壌汚染の疑いがある土地は、担保価値が低いと判断されたり、調査を融資の条件とされたりすることがあります。
- 周辺で汚染が発見された場合: 近隣の土地で土壌汚染が発見された場合、地下水などを通じて汚染が広がっている可能性も考えられます。
- 純粋に健康への不安がある場合: これからご自身やご家族が住む土地、あるいは家庭菜園などを楽しみたい土地について、その安全性を確認しておきたいという理由で調査を行う方もいらっしゃいます。
【あなたの土地は大丈夫?土地の履歴チェックリスト】

ご自身の土地、あるいはこれから解体しようとする建物が建っている土地の過去の利用状況について、以下の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。一つでも当てはまる場合は、土壌汚損のリスクがある可能性を考慮し、専門家に相談することをお勧めします。
□工場・製作所・作業所だったことがある
特に、以下のような業種の工場は要注意です。
* 金属製品製造業、メッキ工場(鉛、六価クロム、シアンなど)
* 化学工場、薬品製造業(揮発性有機化合物、重金属類など)
* 印刷・製版工場(鉛、揮発性有機化合物など)
* 電子部品・半導体工場(トリクロロエチレンなど)
* 電池製造工場(水銀、カドミウムなど)
□ ガソリンスタンドだったことがある
* 地下タンクからのガソリンや灯油の漏洩により、ベンゼンや油による汚染の可能性があります。
□ クリーニング店・取次店だったことがある
* 過去にドライクリーニングの洗浄溶剤として、有害物質であるテトラクロロエチレンやトリクロロエチレンが使用されていました。
□ 農地だったことがある
* 過去に使用が禁止された、ヒ素や鉛、DDTなどの有害物質を含む古い農薬が土壌に残留している可能性があります。
□ 研究機関・試験所だったことがある
* 様々な種類の薬品や試薬が使用されていた可能性があります。
□ 廃棄物の焼却場・埋立地だったことがある
* 焼却灰に含まれるダイオキシン類や重金属による汚染の可能性があります。
□ その他
* 塗装業、自動車修理工場、写真現像所など、有害物質を使用する可能性がある事業所があった。
* 敷地内に不自然な色の土や、油の臭いがする場所がある。
これらの履歴は、法務局で取得できる昔の登記簿謄本や、図書館などで閲覧できる古い地図(古地図)、国土地理院の航空写真などで確認することができます。私たち株式会社アライブのような専門業者は、解体工事のご相談を受けた際に、まずこのような土地の履歴調査(地歴調査)を行い、お客様の土地に潜むリスクを評価することから始めています。
【調査の手順】地歴調査から詳細調査まで!土壌汚染調査の具体的な流れと期間
土壌汚染調査は、やみくもに地面を掘って調べるわけではありません。効率的かつ合理的に汚染の有無や範囲を特定するため、一般的に3つの段階(フェーズ)を踏んで進められます。ここでは、土壌汚染調査の具体的な流れと、それぞれの段階にかかるおおよその期間について解説します。
フェーズ1:地歴調査(資料等調査)
これは、土壌汚染調査の最初のステップであり、最も重要な調査です。実際に土壌を採取するのではなく、様々な資料を基に、その土地が過去にどのように利用されてきたかを調べ、汚染の「可能性」を評価します。
- 調査内容:
- 資料調査: 法務局で登記簿謄本を取得したり、図書館や国土地理院で古地図や航空写真を確認したりして、過去の土地利用の変遷を追います。
- 聞き取り調査: 土地の所有者や近隣住民、行政の担当者などから、過去の状況について聞き取りを行います。
- 目的: 有害物質の使用履歴などを特定し、汚染の可能性の有無、可能性がある場合は汚染物質の種類や汚染の恐れがある範囲を推定します。
- 期間の目安: 約2週間~1ヶ月程度。
- 解体工事との関係: この地歴調査は、建物が建っている状態でも実施可能です。解体工事の計画と並行して進めることで、その後のスケジュールをスムーズに立てることができます。地歴調査の結果、汚染の可能性が低いと判断されれば、調査はここで完了となります。
フェーズ2:概況調査(土壌・地下水のサンプリング調査)
地歴調査の結果、土壌汚染の可能性があると判断された場合に、次のステップとして行われます。実際に現場で土壌や地下水を採取し、分析することで、汚染の有無と大まかな範囲を確認します。
- 調査内容:
- 土壌ガス調査: 地中のガスを採取し、揮発性有機化合物(VOC)の有無を調べます。
- ボーリング調査・土壌採取: 地面に細い穴(ボーリング孔)を掘り、様々な深度から土壌サンプルを採取します。
- 地下水調査: 観測用の井戸を設置し、地下水を採取します。
- 分析: 採取したサンプルを指定調査機関に送り、地歴調査で推定された特定有害物質が含まれているかを分析します。
- 目的: 汚染の有無を確定させ、汚染が確認された場合は、その大まかな水平・垂直方向の広がりを把握します。
- 期間の目安: 約1ヶ月~2ヶ月程度。
- 解体工事との関係: この調査は、重機やボーリングマシンを使用するため、通常、建物を解体して更地になった後に行うのが最も効率的です。
フェーズ3:詳細調査
概況調査で基準値を超える汚染が確認された場合に、その汚染の範囲と深度をより詳細に特定するために行われます。
- 調査内容: 概況調査よりも多くの地点で、さらに細かくボーリング調査や土壌・地下水の採取、分析を行います。
- 目的: 汚染されている土壌の範囲(面積と深さ)を正確に確定し、汚染土量の体積を算出します。この結果が、後の浄化工事の計画と費用算出の基礎となります。
- 期間の目安: 約1ヶ月~3ヶ月程度(汚染の範囲や状況による)。
以前、ある工場跡地の解体・調査案件では、フェーズ1の地歴調査で特定の化学物質による汚染の可能性が高いと判断されました。そこで、建物を解体した直後にフェーズ2の概況調査を実施し、案の定、敷地の一部で基準値を超える汚染が確認されました。その後、フェーズ3の詳細調査で汚染範囲を確定し、その部分だけを効率的に浄化することで、プロジェクト全体の期間とコストを最小限に抑えることができました。このように、段階的な調査手順を踏むことが、合理的で無駄のない土壌汚染対策に繋がるのです。
費用はいくら?土壌汚染の調査・浄化工事の費用相場と価格を左右する要因
土壌汚染調査や対策が必要となった場合、最も気になるのがその費用でしょう。残念ながら、土壌汚染関連の費用は、土地の状況や汚染の程度によって大きく変動し、時には非常に高額になる可能性もあります。ここでは、土壌汚染の「調査費用」と、汚染が見つかった場合の「浄化工事費用」について、おおよその相場と価格を左右する要因を解説します。
1. 土壌汚染調査にかかる費用相場
調査は前述の通り段階的に進むため、費用もフェーズごとに発生します。
- フェーズ1:地歴調査の費用:
- 相場: 約10万円~30万円程度
- 解説: 資料の収集や分析、報告書作成にかかる費用です。土地の履歴が複雑なほど高くなる傾向があります。まずはこの費用で、汚染リスクの第一段階の評価ができます。
- フェーズ2:概況調査の費用:
- 相場: 約30万円~100万円以上
- 解説: このフェーズから費用が大きく変動します。費用を左右する主な要因は、「土地の面積(調査地点の数)」と「分析する有害物質の種類と数」です。調査地点が多かったり、分析対象の物質が多岐にわたったりすると、費用は高くなります。
- フェーズ3:詳細調査の費用:
- 相場: 約80万円~数百万円以上
- 解説: 概況調査の結果に基づき、汚染範囲を確定させるための追加調査費用です。汚染が広範囲に及んでいるほど、調査地点が増え、費用は高額になります。
2. 浄化工事(汚染対策)にかかる費用相場
もし調査の結果、対策が必要なレベルの汚染が確認された場合、土地の浄化工事が必要になります。この費用は、調査費用とは比較にならないほど高額になる可能性があります。
- 主な浄化方法と費用感:
- 掘削除去: 汚染された土壌を全て掘り出し、場外の専門施設へ運搬して処理する方法です。最も確実で工期も比較的短いですが、汚染土壌の運搬・処分費用がかかるため、コストは非常に高額になります。汚染土壌1m3あたり数万円、総額で数百万円~数千万円、あるいはそれ以上になることも珍しくありません。
- 原位置浄化: 汚染された土壌を掘り出さずに、その場で薬剤を注入したり、微生物を利用したりして汚染物質を分解・無害化する方法です。掘削除去に比べてコストを抑えられる場合がありますが、浄化に時間がかかったり、汚染物質の種類によっては適用できなかったりします。
- 費用を左右する主な要因:
- 汚染の範囲(面積と深度): 浄化すべき土壌の量が多ければ多いほど、費用は増大します。
- 汚染物質の種類と濃度: 汚染物質の種類によって、最適な浄化方法や処理の難易度が異なり、費用に影響します。
- 選択する浄化方法: 上記の通り、工法によってコストは大きく異なります。
- 地下水の有無: 地下水も汚染されている場合は、その対策費用も別途必要になります。
私が過去に関わった案件で、ある工場跡地を解体後に調査したところ、敷地の広範囲にわたって油による汚染が確認されたことがあります。当初の解体費用に加えて、最終的に浄化工事費用として数千万円の追加費用が発生し、土地の売却計画も大幅な見直しを余儀なくされました。このように、土壌汚染は土地の資産価値を根底から揺るがしかねない深刻な問題です。だからこそ、解体工事を計画する際には、土壌汚染調査の可能性と、それに伴う潜在的な費用リスクについても、事前に専門家とよく相談しておくことが極めて重要なのです。
まとめ
今回のコラムでは、「土壌汚染調査」と「解体工事」という、密接に関わり合いながらも非常に専門的なテーマについて、調査の必要性や法的な背景、具体的な調査手順、そして最も懸念される費用に至るまで、詳しく解説してまいりました。
建物の解体工事は、単に構造物を取り壊すだけでなく、その下にある土地の健全性を確認する重要な機会でもあります。特に、過去に工場やガソリンスタンド、クリーニング店などがあった土地では、目には見えない土壌汚染のリスクが潜んでいる可能性があり、それを知らずに解体や土地の形質変更を進めてしまうと、後から健康被害や資産価値の大幅な下落、高額な対策費用といった深刻な問題に直面しかねません。
土壌汚染対策法に基づく調査義務がある場合はもちろんのこと、そうでない場合でも、土地の履歴に少しでも懸念があれば、まずは専門家に相談し、「地歴調査」から始めてみることが賢明です。段階的な調査手順を理解し、計画的に進めることで、いたずらに不安を抱えることなく、リスクを適切に管理することができます。
土地は、私たちにとってかけがえのない大切な資産です。その資産価値を守り、安全な環境を次世代に引き継ぐためにも、解体工事を計画される際には、ぜひ土壌汚の調査の可能性も視野に入れ、私たちのような専門家にご相談ください。リスクを正しく理解し、備えることこそが、真の安心に繋がるのです。
株式会社アライブでは、岡山地域密着をモットーに、空き家、建て替え時の解体作業から舗装工事までおこなっております。もちろん、このような解体工事に伴う土壌汚染調査に関するご相談や、信頼できる調査会社との連携も可能です。是非!解体の事なら株式会社アライブにお任せください!
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